30年後の空に想う

子供の頃は、大人ってみんな自分より賢くて偉いと思っていた。子供の頃だけじゃない、私の場合30歳になる頃まで、自分より年上の人は無条件で自分よりアタマが良くて人間的にも素晴らしいんだ、という感覚が抜けなかった。でもね、そうじゃないんだよね、実際、カラダは大人、というかもう中年以降に差し掛かっていても、本当にどーしようも無い、とんでもない人ってたくさんいるよね。


8月に入り、時期的に特集されていて山崎豊子氏の『沈まぬ太陽』を読んだ。
1985年御巣鷹山で520名の犠牲者を出した日航機墜落事故を中心とした某元国営航空の内情の話。実話をもとにした小説で墜落事故のご遺族の方などは実名で登場されている。
3部作になっており、2部が御巣鷹山編。ちょうど2部を読み始めたのが8/11。事故が起こったのが30年前の8/12。そして私は8/13に飛行機に乗って北海道へ帰省…。事故の鬼気迫る様子が鮮明に脳裏によぎり、とても他人事とは思えぬ精神的に疲弊するフライトとなりました…。
飛行機事故ってほんと怖い。時速620キロで落下した衝撃によりシートベルトによって分断されたご遺体、焼けこげた無惨な残骸。亡くなられた方は歯のみ、とか腕のみ、とか部分しか見つからなかった方も多くいらっしゃったようで、小さな子供の遺体の背中から母親と思われる方の歯と顎が出てきた…という描写には思わず涙。子供をきつく抱きしめて、墜落の凄まじい衝撃で母の顔が子の背中に突き刺さってしまったんだろうなあ…。
涙なくしては読めない小説ですが、現代社会(少し古いけど古さは感じない)の裏社会もかいま見れる傑作です。
Kindleでも出ていて、iPhoneで読む事もでき便利なので通勤通学のお供にぜひどうぞ。




あくまでも小説という形を取っているけど、かなり事実に基づいている内容のようで、某元国営航空も、過去には安全をまったく無視し、一部の人間のみの既得権を死守し腐敗した経営を行なっていたそうで、それにより起こった墜落事故。事故の真相はいまだに究明されていないようで、隠蔽している大人たち、関わった大人たちに憤りを感じます。
普段安全と思って利用している交通機関も、一歩間違うと大事故ですよね。

妊娠中に自動車の運転免許を取ったのですが、私はかなり運転に向いていないようで、2回ほど乗って、もういまは乗るのを辞めました。何かあったらまた練習が必要と思います。
でも路上には、もしかしたらそういったペーパー以下ともいえるドライバーの車もたくさんいるだろうし、最近ではSNSで平気で他人を誹謗中傷する人も多数、
行列に並べない50がらみくらいのおじさん、既得権を守るがために他人をないがしろにする人たち、平気で子供や若者を騙す大人達、老人を騙してお金を巻き上げる悪人達。

悲しくなるので「他人を信じるな!」とは言いたくないけど、自分の子供には世の中には怖い人、心ない人もいるんだよということをおしえないといけないな〜と思います。

話を飛行機に戻すと、『沈まぬ太陽』によれば、飛行機の燃料って羽の部分に入っているんですって。席番号で言うと26前後?でしょうか。そのあたりは事故の際燃えやすいらしいのです。
あと、以前航空会社に勤めた経験のあるベリーダンス教室スタッフ大久保によると、シートベルトを締める際はこぶし1個分あけるように!とのことですよ。
しっかりきっつく締めてると、それが凶器となって、前述したように、体を傷つけてしまうからでしょうかね。
また飛行機って墜落するときは頭(前方)から落ちるので前のほうは危険なのかな、と思いました。
日航機墜落事故の際も助かった4名の方は後方座席に座っていたようで、これからフライトの座席指定をする時は後方を希望しよう!と決めた次第です。
しかし人の運命とはわからぬものです。神のみぞ知る。後方に座ったからと言ってほかの事故に合わぬ保証などなく、
今与えられた1分1秒を精一杯、悔いなく生きるのみです。

30年前の8/12、私は夏休みで、年の近いいとこの家に家族で宿泊しており、事故のニュースを朝ごはんの食卓で皆で見たのを記憶しています。まだ子供でしたが、子供心に大変な事になってしまった事を感じ、いたたまれない気持ちになったことを覚えています。

30年の時を経ましたが、犠牲となられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。
もう事故がおきませんように。

悪い大人がこれ以上増えませんように…!