「可愛い」文化と男の見栄


新国立美術館で昨日まで開催されていたメディア芸術祭を見に行きました!人でごった返していました!今年は色んな意味で映像に力を入れて行きたい!と思っているので、大量の最新映像に刺激を受けました。展示の中には、最先端テクノロジーを駆使した作品なども多かったですが、最先端すぎてあまりにも難解で、100%理解できている人は、その場に居た人の中の数人だと思います。私も理解不可能でした。ただ、来場者が芸術系の大人やアート系の学生が多かったので、かなり難解な作品においても「なるほどすごいね!」とか「わかった〜!」とか、作品を見て1秒後には声を発していて、常に己を一定以上のイメージに見せねばならないアーティストである彼らの日々の大変さが垣間みれて面白かったです。難解な作品を前にして「わかった!」と声を発していた9割が、彼女連れの男性だったのも、興味深い点です。さらに印象深かったのが、美術館の屋外テラスでランチを食べていた時、人なつっこいスズメが私たちのテーブルにちょこんと乗ってきて、可愛い〜☆☆☆と大騒ぎをして写真を撮ったりパンくずをあげたりしたのですが、隣の美術系の男性2人連れのテーブルにスズメが移動して、可愛さアピールしても、男性2人連れはガン無視でした。スズメを「可愛い〜」と形容し、パンくずをあげたりするのは、彼らにとってはクールじゃないようです。というか、可愛い物自体が全くクールじゃないようです。そういえば、昔、キャラクター開発の仕事をしたいた頃、プレゼンの場で、女性たちには大好評だった可愛い系のキャラクターを、男性たちには、酷評されました。その後、その中の一人が電話で「ああいう場で、俺らみたいな男が可愛いキャラクター見て、可愛いとか言うのって、なんか自分的にどうかなと思って……でも本当は可愛い系のキャラとか、すごくいいと思うよ。皆の前では言えないけど」と弁解してきた事を思い出しました。ある一部のスノッブな業界の男性たちは、小さくて可愛い物に拒否反応をしめします。ニッポンの「可愛い」カルチャーについて、複雑な思いをめぐらせた一日でした。