まさかの野宿

今週は8月の半ばだと言うのに遅くきた梅雨みたいで雨ばかり。気温もそこまで上がらず北海道の夏みたい。小学校3年生頃に、楽しみにしていた夏休み、両親も皆休みのお盆の頃にずーーーっと雨続きだった年があり、いつも梅雨時になるとその夏を思い出すのですが、今年はまさにその夏の再来のよう。

さてそんな中、お盆の行事などをそつなくこなしたあと、山へ出かけました。
……山。。。
私はいつからこんなにアウトドア派になったのでしょうか。
虫や日焼けなどトラップはたくさんありますが、ここまで毎週アウトドアだと子供のように楽しみになる気持ちも少しあって慣れってコワイものです。

でもね、今回はいつもと違います。
寝るのもほぼ屋外です。野宿………。


杉谷、ここに泊まるってよ。
(桐島、部活やめるってよ風に。)
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まじすか。ついに外。
布切れ一枚を隔ててそこは屋外ですよ。
おまけにさっきまで雨降ってて草とかめっちゃ濡れてるよ…。



私もいい大人です。
今までがんばって働いてきて、立ち上げた会社も10周年を迎え、生徒さんもそこそこ来て下さるダンス教室も楽しい雰囲気で盛り上がり、多くの企業クライアントさんに支えられ、幼い息子が衣食住に困らぬよう、必死でがんばって働いてきました。
そんな私が行き着いた好みの休日と言えば、『部屋露天風呂のある客室』でのんびりする事。
布団でもベッドでもふかふかの寝場所があり、綺麗なトイレ、快適なお風呂。

お風呂の好みで言うと、できれば1人でのんびりと入りたい。髪が長いので洗うのも乾かすのも大変だし入浴後は良い香りのボディクリームを全身にしっかり塗りたい。なので大浴場ではなく、快適な部屋露天風呂。

それがこの日、
風呂無し、トイレまで徒歩6分程、シャワーのみ2カ所あるけどキャンプサイトに泊まっている人々はおそらく500人くらい、というまさにサバイバーな展開に……!

おまけに道中車の中で息子が発熱し、口の中にぶつぶつが出来て痛いとのたまう。これは夏に子供社会で大流行する『ヘルパンギーナ』なる夏風邪の症状ではないか。
とっさに解熱剤を水で溶いて飲ませるとしばらくは熱が下がるも、風邪の子供を抱えての野宿とは何かの精神修行に違いない。

2000年代の初頭に『サバイバー』というアメリカのTV番組が流行って、日本でも放映されていたのをご存知の方いらっしゃいますか?途中から日本人キャストでの放送もあったかも。
無人島に男女10人くらいが何も持たずに上陸し、現地にある草木や魚を採って調理し、木を切って住居を作りそこで生活するまさにサバイブするさまをドキュメンタリータッチで流す番組。
気分はその出演者です…!!
この発熱した子供は番組の仕込みか、それとも私のサバイバル能力のレベルをアップさせるための神からの試練か。


とは言え、あめあがりの夕焼けが突如として燃え上がるように美しく心を奪われたり、家人が前日から仕込んでいたバーベキューが美味かったり、夜になるとそこかしこで炊かれる火が幻想的で穏やかな気持ちになったり…と、良いこともたくさんありました。

そして息子の熱ですが、いつもの事なんですがこやつは発熱の最初のみ非常に具合が悪くなるものの、解熱剤を飲んで30分もするとスコーンと熱が下がり
パワー100に戻る、まるでゲームのキャラクターのようで、もともとの体が頑丈なんだろうなあと感心しきりなわけです。
その後も8時間後くらいに薬が切れるタイミングでパワー20くらいになり発熱が始まるのですが二度目の解熱剤でまた瞬時にパワー100に戻る。
そしてそこからはパワーダウンせずに朝を迎え、隣のテントの子供とまるで前世時代からのマブダチのように瞬時に仲良くなるという脅威の社交術さえ見せつけてくれて、
子供時代、扁桃腺肥大で一度発熱すると下がるまで一週間を要し引っ込み思案で友達少なめだった私のはるか上行く世渡り上手っぷりをアピールしてくれたわけです。


そして肝心の野宿(テント泊)ですが、背中が痛かった事以外は思いのほかすんなり眠れて、快適とまではいかないけれど、息子の発熱対応と長時間の移動で疲れ果てていた私は夜明けまでしっかり熟睡する事ができました。
涼しい夏で良かった。暑かったらまた違うかもしれない。

しかし今回のテントや調理器具全部セットの『手ぶらキャンプパック』が約4万円とあとで知ってちょっと驚愕しています。4万円あったら大好きな部屋露天風呂付き客室に泊まれるよな〜。90日前早割とかホテル比較サイトとか駆使するの得意だし、地方だったら2食付も探せるかもしれない。
というか、
世の中にはこの『キャンプ』というレクリエーションがもう何年も何十年もあり、
なぜ、人は、あえて外に泊まるのか。

トイレや風呂の無い不便さ、快適とは言えない野宿と引き換えにするほどの良さがそこにあるのだろうか。
これは今回出かける前も出かけた後もずっと考えていたのですが今だに答えが出ません…。

音楽好きが高じて若い頃は夏フェスなどによく出かけましたが、夜になるとテント張って寝てる人の多いこと多いこと。
あれはやはり、野宿する事にも一定の楽しさを見いだしているって事だよね。
うーーん、謎だ。

とはいえ、苦痛だったか?と言われるとそうではなく、前述した通り自然の素晴らしさを発見したり楽しい事もたくさんあったので総評としては、良かった!と思えた。外にもだいぶ慣れた。
息子が成長するにつれてもっとサバイバーな旅に出たりするのでしょうか。
そのうち、本当に無人島とか。バックパックで世界一周!?とか!

まあ、それも人生!

楽しんで行きましょう!