インフォメーション・デトックス

実は、去年一年間一本も映画を見なかった。
正確に言うとさそわれて数回見に行ったりTVでやっているのをたまたま見かけたりしたのはあるけど、夏に引っ越してからTVが微妙に見づらい位置に配置されてしまって、TV自体もあまり見なくなったし、映画館に行っても全然集中できなくて、途中で席を立ってロビーでボーっとしていたり、雑誌も、自分の事を載せて頂いた掲載誌を送って頂くのを除くと1年で30冊くらいしか買わなかったし、とにかく要は、情報をシャットダウンしてダンスと、ダンス関係の仕事に集中したかった。というか、そのくらい集中しないとダメなんだと無意識に思っていたんだと思う。そして、根底では、他人の作ったクリエイティブが自分の作る物より優れている事への怖さや、それによる劣等感から、新しいダンスやショーやビジネスを発想できなくなったらどうしようというビビリも大いにあった。
最近やっと、少しは色々マシになってきてほんのちょっとだけ心に余裕が出来てきたので、期限切れになってしまったTSUTAYAのカードを作り直してDVDを借りまくり、打ち合わせの隙間の時間に映画館に行ったり大量の雑誌を一気読みしたり1日に本を5冊くらいまとめて読んだりしているのですが、それがめちゃくちゃ楽しくて楽しくてたまらない。夕食を抜いた翌日の朝ごはんが夢のように美味しいのと同じように、新しい情報を取り入れるのが素晴らしく楽しい。昔、ダラダラと入ってくる情報を全て受け入れていた時は、感覚がマヒしてしまって良い物と悪い物を判別する能力が低下していたように思います。断食して体内をリセットしてからまた新しい栄養を取り入れる、という、いわゆるデトックスが一般的になってきていますが、情報もデトックスすると感覚が浄化されるんだ!という事に気づきました。だいぶ、頭がスッキリしてきました。