泣く女


小さい頃の私は臆病で他人の顔色ばかり気にして、危険そうな事はやらない、危険そうな人には近づかない、そんな慎重で大人びた可愛げのまるでない子どもだった。現実世界の中に居てもどこか冷めていて、自分も含めて俯瞰で、たとえば学校の教室の中を見て、わーなんて子どもっぽい遊びをしている、いやだわ、一人で本でも読もう、そんな子だった。まあ要は、暗かった(笑)そして怖いくらいに冷静だった。泣く事を知らず、笑いはしたが、それでも常に、今笑ったほうがいいか、とか、涙を見せるなんてありえない泣くもんか!とか、そんな事ばかり考えて、傍目には感情の無い子だった。
21才の時に色んな事が変わった。(学生時代に太ってて、その頃も色々あったけど、その時の話は以前書いたので省略します)
社会に出て揉まれに揉まれまくって、彼氏にもフラれて、そんな事が重なって感情が噴出した。その頃から泣くようになった。大泣き。もう、ほんとに。仕事でボロボロになって家に帰って号泣。フラれて号泣。TVで犬の出産シーンを観て号泣。今日も明日も号泣だ!そんな日々が続いた。
今でも、特に朝起きがけの時は感情移入しやすいので、CMで小田和正系の音楽が流れてちょっと切ないナレーションが聞こえてきただけで、朝からもう、大泣きしてる。せっかく前の晩、フンパツして買ったナイトクリーム塗って寝たのに瞬時に顔は腫れて台無しだぜよ。小さい頃感情を押し殺して生きてきた分、今はここぞとばかりに表現活動にはげんでいるような気がする。絵を描く事も、ダンスを踊る事も、ショーを作る事も、全ての感情をそこに注入して、全力でやっている。動く時はスピードが大事だと思っているので、全感情、全精力をそこに注ぎ込んでスピーディーに色々な事を仕上げる。いつの間にかそれが信条となった。明日死ぬかもしれないから、今日やれる事は今日やる。ああでもそうして睡眠時間が削られていくのだよ(笑)うーん、日曜くらいはゆっくり眠りたいぜ。
少し前にある名のある女性にお会いして、とても綺麗な方だったのだけど、その方は、終始作り笑顔で、目は笑ってなくてちょっと怖かった。映画を観て泣くか?という話になった時、「メイクが崩れるから泣きません。私、泣かないんです。そういう訓練をしました」とおっしゃっていて、すごいな、と思った。でもとても辛そうだ。感情を押し殺して生きていくのは、つらいはずだ。私はどんなに泥臭くても、人間らしくいたいと思うよ!でも確かにメイク崩れは女性にとって致命的なので、「泣き系」の映画を観に行く時はウォータープルーフのマスカラで行きます!メイク死守!!しかし感情は豊かでありたい!!女性ってつくづく大変だ!